弊社のモリンガは日本産(宮崎産)とタイ産を使用しています。自社農園と契約農園になりますが、いずれも種まきから生育、収穫、一時乾燥まで管理しています。その後、各商品の加工工程に入っていきます。どちらのモリンガも農薬は不使用です。そもそもほぼ虫はつきませんし、原産地では自生しているものですから管理も少ない植物です、農薬などのコストはわざわざかける必要がないのです。また、加工の前後まで衛生的なチェックは2重、3重に機械と人力の目視も含めて行っています。
※日本栽培の種はタイ農園で採れた種を使う事が多いです。産地は違えど種は同じです。
ですからどちらの産地にせよ自信を持ってお出ししています。
ただ、たまにお客様であったり、全国の催事でバイヤーさんに聞かれることがあります。
「御社のモリンガは国産ですか?海外産ですか?」
という質問です。
一般のお客様の場合は、国産がより安心だというお気持ちの前提で話されることが多いように感じます。
バイヤーさんに関しても国産の方が安心だという前提の事が多いと思います。また、原料を探されているメーカーさんでも国産の方が付加価値が付くのでは?という視点で話されているようです。
安全というのは、生産と加工の過程において農薬等の使用や衛生的な面だと感じます。そういった点では、先に話したように国産と海外産では品質に差はございません。
では、なぜ海外産を使うかというと、幾つか理由があります。
1.自生する地域のモリンガのほうがパワーがあるのではないか
本来モリンガはインドや東南アジアなど赤道近い場所に自生する植物であるという事から、現地のものがパワーがあるのではないかと想像しています。条件を合わせて双方の栄養分析等も行ってみたいと思います。日本でも春先から秋までは成長しますが、冬を超える事が出来ません。通年を自生することができません。ハウスなど人工的な工夫が必要になってきます。※沖縄は除く
仮に栄養成分が同等であれば、そこまで国産に拘ることはないのではというのが私たちの考えでもあります。
スリランカの紅茶や南アフリカのルイボスティーなどのように、自生する地域でパワーいっぱいの植物たちを収穫して加工、活用するのが理にかなっているのでは、という考えです。
2.自生する地域の方が栽培のコストがさがる
コスト的にも国内生産は海外生産と比較して高騰してしまう傾向にあります。まず、越冬が出来ませんから、冬には大きく育ったモリンガを根っこから抜いて土を休ませます。また、翌年の春に芽出しから初めて成長させて栽培する、という生産過程を繰り返すことになります。現地では寒い時期がないので枯れる心配はなく、毎年植え替えるという手間がかかりません。同じ品質のものでしたら出来るだけ効率よくつくり価格を抑えてご提供したいという考えです。
3.原料の鮮度の問題
あとは鮮度の問題です。国産であるとどうしても収穫が晩夏~晩秋になってしまいます。つまりこの時期に収穫したものを来年の収穫時期まで保管しながら使うという事になります。乾燥保存しているので、1年程度の保存は品質的にも問題ないのですが、余ればさらに後ろ倒しで商品に使うことになり、足りなければ品切れか、他社さんからモリンガを買う必要があります。そういった状況を避けるために海外産も併用しています。弊社はタイのチェンマイから輸送してもらっていますが、先ほど話したように現地は常夏ですから、常にモリンガは茂っています。
※ちなみに一度収穫しても、1ヶ月半程度で収穫可能なボリュームまで戻ります。
ですから常にフレッシュなモリンガの葉を手に入れる事ができますし、お茶やパウダーも鮮度が高いものを提供できています。航空便を使えば収穫から10日程度で日本国内に持ちこむことが可能です。※現在はコロナの影響で船便中心という事もあり、収穫から1ヶ月半くらいで国内に到着です。
以上の事から、国産と海外産を比べてより皆様にフレッシュで栄養価が高いモリンガを提供できるように海外産を積極的に使用しています。もちろん国産の良い部分もたくさんありますし、農地活用の面でも地方がかかえる課題を解決する一助になるかもしないと考えていますので、来年からは再び国産のモリンガ畑にも注力していきたいです。
※最近出展させていただいた催事です。モリンガに対するニーズを感じる事が出来ました。
フードスタイル九州 2021年11月開催
全国食の逸品EXPO 2021年10月開催